【統率者戦】間違えやすいルールまとめ 41ケース

目次

概要

統率者戦はあまりにもカードプールが広いため、様々な世代のカードが干渉し合い、ルール上のミスが起きやすい環境です。この記事では統率者戦でよく発生する間違いや、疑問に持ちやすい処理についてまとめていきます。かなりボリュームが多いため、通しで確認するでも、プレイ中に参照するでも、活用していただけると嬉しいです。

フォーマットルール関連

Q:固有色の定義は?

A:固有色はカードのマナコストとルールテキストおよび特性定義能力、色指標に基づきます。(903.4)例を挙げます。

  • 《騒々しい写本、コーディ》の固有色は5色です。(ルールテキスト参照)
  • 《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》の固有色は黒赤です。(色指標参照)
  • 《大天使アヴァシン》の固有色は白赤です。(裏面も参照する)
  • 裏面が白青の合体カードである《マイトストーンとウィークストーン》の固有色は無色です。(裏面が合体カードの場合は参照しない)

Q:注釈文に存在するマナシンボルは固有色?

A:固有色ではありません(903.4c)注釈文とは、下記のような強請キーワードのかっこ書きの中などが該当します。そのため《盲従》の固有色は白のみです。(固有色に黒を含まない統率者でも使用できます)

Q:相棒はデッキ100枚に含む?

A:含みません。相棒を指定する場合は、相棒を除いて100枚のデッキを構築します。(相棒を含むと101枚になります)

Q:ウィッシュボードはある?

A:ありません。

関連カード:《生ける願い》、《大いなる創造者、カーン》

Q:自分の統率者からの戦闘ダメージでも21点以上のダメージを受けた場合敗北する?

A:敗北します。

Q:統率者は死亡してから統率者領域に戻ることができる?

A:できます。統率者は墓地・追放領域に移動した場合にはその領域を経由してから統率者領域に置くことができます。手札・ライブラリに移動した場合は置換効果であるため、それらの領域を経由しません。そのため、問題なく死亡時の誘発型能力を誘発させてから、統率者領域に置くことが可能です。

関連カード:《アラーラの子》など

Q:カードのコントローラーとオーナーが異なる状況でオーナーが敗北した場合どうなる?

A:オーナーが敗北した時点でそのオーナーのカードはゲームから取り除かれます。

関連カード:《金粉のドレイク》など

Q:カードのコントローラーとオーナーが異なる状況でコントローラーが敗北した場合どうなる?

A:《露骨な窃盗》など効果でコントロールを得ていた場合はオーナーのコントロール下に戻ります。《袖の下》などコントロール変更効果以外の場合は追放されます。(CR:800.4a)

関連カード:《袖の下》《露骨な窃盗》など

Q:「対戦相手がこのターン失ったライフ」は敗北したあとにも参照できる?

A:参照できます。

関連カード:《究極のハイブリッド恐竜、インドラプトル》、《永遠衆、ネヘブ》

Q:2回目以降に統率者領域から統率者を唱える場合の無色マナ要求(統率者税)は軽減できる?

A:可能です。コボルドを指定した《ウルザの保育器》が戦場にある状態で、2回目の《ロフガフフの息子、ログラクフ》を唱える場合、無色2マナ軽減され0マナで唱えることが可能です。

関連カード:《神話解放》

Q:太陽の拳などの代替コストで統率者を唱える場合、統率者税を支払う必要はある?

A:あります。統率者税が無色2マナであれば、5色マナ+無色2マナの支払いとなります。代替コストに追加コストが乗り、最後にコスト軽減分で引く流れです。そのため、代替コストの上に統率者税が追加コストとして追加される形になります。

参考:総コストとは、マナ・コストまたは代替コスト(CR:601.2b で決定したもの)に、すべての追加コストやコストの増加分を加え、コストの減少分を引いたものである。(CR:601.2fより)

関連カード:《永遠の大魔道師、ジョダー》

Q:命運の掌握などの一時的な追放によって統率者を追放した場合、そのカードが場を離れた時に統率者は戦場に戻すことはできる?

A:統率者が戦場を離れた際に統率者領域に置いていない場合であれば、戻すことができます。逆に統率者領域に移動させた場合は戻りません。

例)《命運の掌握》で対戦相手の統率者を追放し、そのプレイヤーは統率者領域に統率者を置かないことを選択した。その後《解呪》で《命運の掌握》が破壊された時に、上記の統率者は戦場に戻った。

関連カード:《精霊界との接触》《ポータブル・ホール》

頻繁に使われるカード関連

Q:毒の濁流や神の怒りなどでダウスィーの虚空歩きを含む複数のクリーチャーが死亡した場合どうなる?

A:《ダウスィーの虚空歩き》のコントローラー以外のプレイヤーの死亡したクリーチャーは追放されます。

関連カード:《血の芸術家》、《安らかなる眠り》

Q:ダウスィーの虚空歩きの起動型能力でソーサリーカードを選んだ場合、相手のターンでもインスタントタイミングで唱えられる?

A:唱えられません。

Q:ダウスィーの虚空歩きに稲妻でダメージを与えて除去した場合、稲妻は追放される?

A:追放されます。ダメージによる死亡は状況起因処理であるため、《稲妻》がスタック領域を離れた時には《ダウスィーの虚空歩き》は戦場に存在するため。ただし、除去に使う呪文が《致命的な一押し》などの《ダウスィーの虚空歩き》が直接戦場から離れるカードの場合は追放されません。

Q:敵対工作員を複数のプレイヤーがコントロールしている状況でライブラリを探した場合どうなる?

A:そのプレイヤーのコントロールを得るのは最後に出た《敵対工作員》をコントロールしているプレイヤーです。また、そのプレイヤーはどの《敵対工作員》によって追放されるかも選ぶことができる。(処理中はそのカードのオーナーをコントロールしているため)

参考)COMMANDER LEGENDS RELEASE NOTES

Q:敵対工作員によって追放されたカードは、敵対工作員が戦場を離れた後もプレイできる?

A:可能です。

Q:法の定めを唱えて戦場に出したターン、それ以外の呪文を唱えられる?

A:唱えられません。《法の定め》は戦場に出ているかどうかを問わず、そのターンに呪文を唱えた回数を参照するため、《法の定め》自身のプレイを1回として数えます。

関連カード:《秘儀の研究室》《耳の痛い静寂》《エーテル宣誓会の法学者》《ファイレクシアの検閲官》《エメリアのアルコン》

Q:倦怠の宝珠がある状態でクリーチャーが戦場に出た時、オーラの破片の能力は誘発する?

A:誘発しません。《倦怠の宝珠》の能力はクリーチャーが戦場に出ることで誘発する能力を封じるため、《オーラの破片》のようにクリーチャー以外の能力であっても、それがクリーチャーが戦場に出ることによって誘発するものであれば誘発しません。

関連カード:《門衛のスラル》《機械の母、エリシュ・ノーン》

Q:死の国からの脱出で墓地の祖先の幻視を唱えられる?

A:唱えられません。《祖先の幻視》はマナ・コスト自体が存在しないカードであるため、《死の国からの脱出》の「脱出コストは、そのカードのマナ・コストに〜を追加したものに等しい」のように追加コストが付与された場合でも、存在しないマナ・コストは支払うことができないため、唱えることはできません。(CR:118.6a)

関連カード:《ヨーグモスの意志》《炎の中の過去》

複雑なルール関連

Q:間違えやすいコピー可能な値は?

A:《幻影の像》などでパーマネントをコピーした場合、下記はコピーされません

  • 乗っているカウンター
  • 《激励》などの継続的効果
  • タップ状態などの位相
  • トークンであること

《二重詠唱の魔道士》などでスタック上の呪文や能力をコピーした場合、モード、対象、Xの値、キッカーの有無などはコピー可能な値です。そのため、コピーした際にこういった選択を選び直すことはできません。ただし、《二重詠唱の魔道士》を含め多くのカードで「コピーの新たな対象を選びなおしてよい」ことがあるため、その場合は対象は選び直すことができる。

例)クリーチャーをアンタップするモードの《エメラルドの魔除け》を《二重詠唱の魔道士》でコピーした場合、クリーチャーをアンタップするモードでコピーされるが、対象は選び直すことができる。

関連カード:《ファイレクシアの変形者》《ナーセットの逆転》

Q:「対戦相手は勝利できない」と「自分は敗北しない」は何が違う?

A:こちらがゲームに敗北することと、対戦相手が勝利することは別物です。敗北や勝利を回避するカードは異なる振る舞いをします。

例)勝利条件が整っている状態で対戦相手が《タッサの神託者》をプレイした時

  • こちらが《天使の嗜み》を唱えた場合 → 対戦相手は勝利できない
  • こちらが《リッチの熟達》をコントロールしている場合 → 対戦相手は勝利する

関連カード:《皆に命を!》《白金の天使》

Q:装備されたクリーチャーのコントロールが移動するとどうなる?

A:装備品が持つ装備能力は自分のクリーチャーしか対象に取れませんが装備された状態のクリーチャーのコントロールが移動する場合、コントロールは装備された状態で移動します。ただし、装備品のコントロールは変わりません。

関連カード:《突撃鎧》《金粉のドレイク》《梅澤の十手》

Q:装備品やオーラが付与されたパーマネントのフェイズ・アウトするとどうなる?

A:パーマネントがフェイズアウトする場合、そのパーマネントに装備、あるいはエンチャントされている装備品・オーラも一緒にフェイズアウトします。また、フェイズインする際にはそれらが装備、あるいはエンチャントされた状態でフェイズインします。(CR:702.26g)

関連カード:《時の支配者、テフェリー》《テフェリーの防御》《時空からの退去》《幻視の魔除け》

Q:複数の置換効果や軽減効果が重複した場合は誰がどう選択する?

A:複数の置換効果や軽減効果があるならば、「その影響を受けるプレイヤーがそのうち一つを選び、それを適用する」という手順を適用可能な置換効果か軽減効果が残っている限り繰り返します。(詳細手順はCR:616.1)

例)対戦相手が《安らかなる眠り》をコントロールしている状態で、こちらの《運命のきずな》が墓地に行く際、《運命のきずな》をライブラリに戻すことを選択できる

関連カード:《ダウスィーの虚空歩き》《虚空の力線》《荒廃鋼の巨像》

Q:「攻撃している状態で戦場に出る」は「攻撃した」扱いになる?

A:なりません。

例)《巨大なるカーリア》の誘発型能力で《黄金架のドラゴン》を攻撃状態で出した場合、《黄金架のドラゴン》の攻撃による宝物トークンは生成されない。(2024/8/16訂正)

関連カード:《刃を咲かせる者、ナジーラ》《ドルイドの保管庫》

Q:無尽で生成されたトークンは、そのターンの戦闘終了時がスキップされた場合どうなる?

A:次のターンの戦闘終了時にトークンを追放する能力が誘発します。(自分のターン、相手のターン問わず)なお能力が誘発するのは一度きりです。

関連カード:《無限の日時計》《サイバーマン軍団》《我々の刃》

Q:クリーチャーとクリーチャー・カード、クリーチャー・呪文の違いは?

A:ルール文章の「クリーチャー」は戦場に出ているカード(パーマネント)のクリーチャーを指します。戦場に出ていないものはクリーチャー・カードやクリーチャー・呪文と呼ばれます。

例1)《呪われたトーテム像》が戦場にある状態でも、統率者領域の《浄火の戦術家、デリーヴィー》の起動型能力は起動できる

例2)ウィザードを指定した《うろつく玉座》が戦場にいる状態でなんらかのウィザードが戦場に出た際に統率者領域で誘発する《儀式の大魔導師、イナーラ》の能力は《うろつく玉座》によって追加で誘発しない。

Q:呪禁を持つクリーチャーをコントロールしているプレイヤーが唱えた呪文は、対象を変更してそのクリーチャーを対象にすることはできる?

A:できます。《誤った指図》などの対象を変更する呪文の多くは変更先を対象にとらないため、除去呪文などの対象を呪禁や護法を持つパーマネントに変更することは可能です。

例)《悟った達人、ナーセット》をコントロールしているプレイヤーが唱えた《剣を鍬に》に対して《誤った指図》を唱え、《剣を鍬に》の対象を《悟った達人、ナーセット》に変更することができる

Q:能力を失わせるカード(謙虚など)の正しい処理に自信がない

A:以下記事で簡潔にまとめています。

関連カード:《謙虚》《激しい叱責》《ダークスティールの突然変異》《王冠泥棒、オーコ》

Q:トークンのオーナーは誰?

A:トークンは生成したプレイヤー(戦場に出た際のコントローラー)がオーナーになります。《禁忌の果樹園》で生成されるトークンのオーナーは対戦相手になります。

関連カード:《禁忌の果樹園》、《テル=ジラードの鉄筆》

まとめ

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