【久しぶりの禁止解除】統率者戦で長年禁止されていた5枚のカードは面白いのか

2025年4月22日、待望の禁止推奨リストの更新が発表され、以下の5枚が禁止解除となった。

  • 《けちな贈り物》
  • 《星の揺らぎ》
  • 《陰謀団の先手ブレイズ》
  • 《合同勝利》
  • 《一望の鏡》

《けちな贈り物》、《陰謀団の先手ブレイズ》は2009年から禁止、その他の3枚はフォーマット制定時から禁止されていたため、いずれもほとんど統率者戦での実績のないカード達だ。しかしながら、今回の禁止改定はそこまで大きな話題にはならなかった。というのも、前評判では《宝石の睡蓮》が解除されるだろうという意見が多かったため、今回の改定に対して「今更《合同勝利》を解禁?《タッサの神託者》がリーガルなのに禁止なのがおかしかったんだ」となるのも仕方ないかもしれない。

しかし、昔ながらの良くも悪くも個性の強いカードが新しく使えるようになったわけで、どう使えるか考えないと勿体無い。今回はこの5枚の活用方法について考えてみる。

けちな贈り物

《けちな贈り物》は《直感》に似た重めのサーチカードで、直接4枚ものカードにアクセスできる点がユニークだ。過去、モダンでは《けちな贈り物》から《掘葬の儀式》をサーチすることで相手の選択に関係なく釣り上げるコンボが存在していたが、EDHなら《セヴィンの再利用》や《新たな芽吹き》などの釣り上げ・回収手段で相手の選択権を奪い、《死の国からの脱出》などの強力なカードに確定でアクセスすることができるだろう。また、《不死身、スクイー》など墓地でも手札でも関係のないコンボパーツにアクセスするのもおすすめだ。

こういった使い方は《直感》に似ているが、《けちな贈り物》は重い代わりに手札アドバンテージが稼げる。もちろん、《直感》と同様にインスタントである点も魅力的だ。

星の揺らぎ

《星の揺らぎ》は手札・墓地・戦場のすべてをリセットし、ライフを7にする凄まじいリセット呪文で、《Timetwister》などよりも《世界火》的な性能と言える。おそらくEDHで最も強烈なリセット呪文であるため、リセット呪文と相性の良い統率者では優先的に採用が検討できる。

例えば《悟った達人、ナーセット》EDHであれば、重さを無視して存分に性能を活かすことができる。抹消などの単に盤面をリセットする呪文と比べると、ライフを大きく詰めることができるためフィニッシュまでグダつきづらい点が魅力的だ。

なお、《星の揺らぎ》は神河謀叛で登場したきり、一度も再録されていない。今回の解禁により品薄&値上がりしているため、使いたい人は早めに押さえておいても良いかもしれない。

陰謀団の先手ブレイズ

《陰謀団の先手ブレイズ》は4マナ2/2黒単の伝説のクリーチャーで、アップキープごとにアーティファクト・クリーチャー・土地のいずれかの生贄を強制する。EDHは調子の良い人は膨大なアドバンテージを稼ぎ、調子が悪い人は少ないリソースでやりくりするゲーム展開になる傾向があり、《陰謀団の先手ブレイズ》はその貧富の格差を加速させてしまう危険なカードだ。

《恐怖の神、ターグリッド》EDHでは継続的なサクらせ手段として、統率者とシナジーを形成できる。ただし、ターグリッドEDHも大概ヘイトを買うデッキなので、いずれにしても要注意ではある。

合同勝利

《合同勝利》は特殊勝利できる珍しいソーサリーだ。条件が厳しく、8マナあたりのソーサリーならもっと簡単に勝てそうなカードも何枚か思いつくが(《歯と爪》、《深淵への覗き込み》、etc)、「EDHで《合同勝利》で勝った」となれば間違いなく盛り上がる。楽しいカードは大事だ。

クリーチャーの色条件は5色のクリーチャー1体でも達成できるため、初祖スリヴァーや始祖ドラゴンEDHなどであれば比較的現実的だ。少し古い記事だが、5色統率者についてまとめているので、ぜひ《合同勝利》と相性の良い統率者を探してみて欲しい。

一望の鏡

《一望の鏡》はインスタントかソーサリーを刻印することで、自分のターンのアップキープのその呪文をコストを踏み倒して唱えることができる重量アーティファクトだ。本体5マナに加え刻印のコストもかかるが、有名なコンボとして《時間のねじれ》等の追加ターン呪文を刻印するだけで無限ターンが成立するコンボがある。元々追加ターン呪文を多く採用するデッキであれば、お手軽なコンボパーツとして採用が検討できそうだ。