5色(5C)EDHの統率者・ジェネラル紹介【2024年1月版】

概要

この記事では2024年1月時点で存在する5つの固有色を持つ統率者(ジェネラル)全体と、その中でも注目の統率者をデッキの概要と合わせて紹介します。固有色と色の違いがわからない、という方は以下の公式ルールをご一読ください。(デッキ構築に関するルールの2番です)

5色統率者の概観

現在5色の固有色を持ち、統率者として指定できるカードは現時点で39枚あります。なお、統率者を2枚指定できる共闘能力を持つカードは固有色が2色以下のカードしか存在しないため、現状共闘により5色統率者デッキを構築する方法はありません。5色統率者の一覧は以下です。

《アトガトグ》
《アラーラの子》
《クロウマト》
《片目のガース》
《概念の群れ》
《統べるもの、ジョダー》
《邪神カローナ》
《ニヴ=ミゼット再誕》
《至高の者、ニヴ=ミゼット》
《復讐の神、大口縄》
《万物の座、オムナス》
《大祖始》
《刈り取りの王》
《生物学者、ルカルメル》
《始祖ドラゴンの末裔》
《スリヴァーの墳母》
《巣主スリヴァー》
《スリヴァー軍団》
《スリヴァーの首領》
《スリヴァーの女王》
《初祖スリヴァー》
《始祖ドラゴン》
《ティアマト》
《トム・ボンバディル》
《騒々しい写本、コーディ》
《タズリ将軍》
《生命起源の御神体》
《湧き出る源、ジェガンサ》
《流浪のドルイド、ジェンソン・カルサリオン》
《永遠の大魔道師、ジョダー》
《帰還した王、ケンリス》
《神河の魂、香醍》
《限りないもの、モロフォン》
《刃を咲かせる者、ナジーラ》
《ドラゴン・エンジン、レイモス》
《ウェザーライトの艦長、シッセイ》
《確固たる生存者、タズリ》
《メムナークの残滓、ウルテト》
《ジャレッド・カルサリオン》

以前の統率者戦では5色であるというだけでステータスであり、統率者を使わずに固有色として指定するだけという戦略も見られましたが、現在は多様な能力を持った5色の伝説のクリーチャーの登場により、5色統率者の間でも様々なアーキタイプが存在します。

統率者紹介

アラーラの子

《アラーラの子》はpigで土地でないすべてのパーマネントを破壊する誘発型能力を持ちます。(統率者の統率者領域へ移動するルールは置換処理ではないため、pigは有効です。詳細はルール解説ページ「ゲームのプレイに関するルール」の3番を参照。)

全体除去は多人数戦において影響力が大きい能力で強力な一方で、土地以外すべてを破壊する対象が広すぎる能力は自分にとってもマイナスになるため、アラーラの子EDHでは《壌土からの生命》などを活用した土地を軸としたデッキ構築をすることで、その能力を使いやすくする構築がメジャーです。土地比率を極限まで高めることで、《むかつき》や《宝物探し》から大量ドローを行い、《迷路の終わり》や《死者の原野》などで勝利することを目指します。土地には《Diamond Valley》などの《アラーラの子》を能動的にサクる手段が豊富にある他、《魂の洞窟》や《七曲がりの峡谷》を経由することで、妨害を受けることなく強烈な全体除去を放つことが可能です。

統べるもの、ジョダー

《統べるもの、ジョダー》は5マナ5/5でキーワード能力を持たない伝説のクリーチャーで、自身を含む伝説のクリーチャーに対する全体パンプを行う常在型能力と、手札から伝説の呪文を唱えるたびに、それよりマナ総量の小さいカードが出るまでライブラリの上を捲り、そのカードを唱える踏み倒し能力を持ちます。

一見すると伝説に依存した使いづらい能力に見えますが、統率者戦のカードプールでは《敏捷なこそ泥、ラガバン》などの強力かつ軽量な伝説のクリーチャーが豊富に存在しており、極めて実用的な能力です。基本的には《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》や《静寂の守り手、リンヴァーラ》などのメタクリーチャーや《堕落した庄察頭、ロソ》などのアドバンテージを取れる伝説のクリーチャーを多く採用し、《統べるもの、ジョダー》の全体パンプアップや踏み倒し能力によりゲーム展開を有利に進めることを目指します。一見地味に見えるジョダー、ラガバン、ラヴィニアの盤面でも実は18打点あるように、パンプアップ能力が使いやすくかつ強力なため、かなり脳筋寄りの構築も可能です。

初祖スリヴァー

《初祖スリヴァー》は続唱を持つ5マナ7/7のクリーチャーで、スリーヴァー呪文に続唱を付与する常在型能力を持ちます。

《初祖スリヴァー》は5色統率者の中で唯一、《食物連鎖》と《不死身、スクイー》等のコンボから生まれる「クリーチャー専用の無限マナ」が勝利に直結する統率者です。そのため、初祖スリヴァーEDHはこの特性を活かして《食物連鎖》コンボを主軸としてコンボデッキとして構築することがメジャーです。基本的に初祖スリヴァーの着地を目指さない構築になるため、リストは5色のグッドスタッフデッキ寄りになります。もちろんスリヴァーを軸とした構築で使う場合は全く異なるリストになります。

始祖ドラゴン

《始祖ドラゴン》は9マナ10/10飛行でドラゴン呪文を軽量化する威光能力と、ドラゴンが攻撃するたびにそのドラゴンの枚数だけドローし、手札から任意のパーマネントを戦場に出す誘発型能力を持ちます。

始祖ドラゴンはドラゴンEDHの統率者にふさわしい強力な能力を持っており、威光能力を活かして強力なドラゴンを多く採用した構築が一般的です。ドラゴンの中でも《ヘルカイトの狩猟者》は特に始祖ドラゴンと相性の良いカードです。始祖ドラゴンEDHについては以下の記事で詳細に解説しています。

騒々しい写本、コーディ

《騒々しい写本、コーディ》は無色3マナ1/4のアーティファクトクリーチャーで、パーマネント呪文を唱えられなくなる常在型のデメリット能力と、4マナタップで5色マナを加えながら、次に唱える呪文にインスタント・ソーサリー専用の続唱のような能力を付与する起動型能力を持ちます。パーマネント呪文を唱えられなくなる強烈なデメリットを抱えている一方で、インスタント・ソーサリーを軸とした構築であれば、起動型能力によるマナフィルターおよびマナ加速とアドバンテージ獲得能力が強力です。

基本的にはインスタント・ソーサリーのサーチ呪文を駆使して《死の国からの脱出》コンボや《タッサの神託者》コンボを成立させるスタンダードなコンボデッキですが、コーディと相性の良い《ぐるぐる》系のカードにより起動型能力を追加起動するギミックや、コーディの起動型能力の後に1マナの呪文を唱えると確定で0マナのインスタント・ソーサリーを唱えられる特性を活用した《不敬な教示者》確定ギミックなどを活かした独自要素のあるコンボデッキを構築することが可能です。

刃を咲かせる者、ナジーラ

《刃を咲かせる者、ナジーラ》は赤単色3マナ3/2のクリーチャーで、戦士1体が攻撃するたびに攻撃状態の戦士クリーチャートークンを生成する誘発型能力と、5色マナにより、攻撃クリーチャーをすべてアンタップして追加の戦闘フェイズを加える起動型能力を持ちます。

単色の3マナクリーチャーという軽量さに反して強力なトークン生成能力と、戦闘フェイズ追加能力による追加のトークン生成ギミックや無限コンバットコンボによる勝ち筋など、単体で完結した強力な統率者です《浄火の戦術家、デリーヴィー》との相性の良さは特筆すべきで、サボタージュ能力により容易に無限コンバットが成立します。ナジーラEDHについては以下の記事で詳細に解説しています。

ウェザーライトの艦長、シッセイ

《ウェザーライトの艦長、シッセイ》は白単色3マナ2/2のクリーチャーで、他の伝説のパーマネントの色の数だけ+1/+1修正を受けるパンプアップ能力と、5色マナでライブラリーからシッセイのパワーよりマナ総量が小さい伝説のパーマネントを戦場に出す起動型能力を持ちます。

出せるカードに制約があるとはいえ、ライブラリからパーマネントを直接戦場に出せる起動型能力は強力で、様々なコンボやギミックを搭載することが可能な統率者です。一例としては、《湧き出る源、ジェガンサ》を相棒に指定した構築で、ジェガンサでシッセイの起動型能力のマナコストを賄うことを目指します。ジェガンサとシッセイが揃えば、シッセイから《浄火の戦術家、デリーヴィー》と《刃を咲かせる者、ナジーラ》+@を一気に揃えることが可能で、手出しが必要なカードが存在しない実質0枚コンボです。(デリーヴィーのEtB能力でジェガンサをアンタップする)

まとめ

今回は5色の統率者に関する情報をまとめました。ニーズがあれば、他のカラーの情報もまとめて記事にしていこうと思います。

記事の更新情報はEDH.JPのX(Twitter)で投稿しています。ぜひフォローしてください。