統率者(2017年版)セット解説

統率者セットとは

統率者セットとは、2011年に発売されたセット「統率者」をはじめとして2013年〜2021年までの9年間、毎年発売していた複数の構築済みの統率者デッキ(100枚)から構成されるカードセットです。2021年まではセット名が「〜年版」となっていましたが、現在ではその命名は廃止され、エキスパンションごとに統率者デッキが発売されるようになりました。

統率者セットではそのデッキの統率者となる新規の伝説のクリーチャーやプレインズウォーカーに加え、多人数戦で活躍する強力な新規カードが多く収録されてきました。統率者セットの解説記事では、各統率者の紹介と、デッキごとに収録された新規カードの中でも、実用性の高いカードを紹介していきます。

統率者(2017年版)

統率者(2017年版)では部族に関する強力なキーワードである「威光」を持つ伝説のクリーチャーを統率者とした4つのデッキが収録されました。

猫の獰猛(セレズニアカラー:緑白)

統率者紹介

統率者《世界の咆哮、アラーボ》は、戦闘開始時に猫1体に+3/+3修正を与える威光能力と、猫が攻撃するたびに1GWでトランプルの付与とパワータフネスをパワー分パンプアップする、パワーを倍にする能力を持ちます。攻撃時の誘発型能力と威光能力が噛み合っており、合計で+6/+6以上の修正が約束されています。アラーボと強力なシナジーを形成する猫が2枚あり、それが《典雅な襲撃者》と《敗残のレオニン》です。

いずれも軽量の猫クリーチャーでありながら、二段攻撃や感染といったパンプアップと相性の良いキーワード能力を持っています。《敗残のレオニン》であれば、威光+攻撃時の誘発型能力だけでパワー10に到達するため、ワンパンで毒カウンターによりプレイヤーを敗北させることが可能です。

新規カード紹介

新規カードの一覧は以下の通り。

《世界の咆哮、アラーボ》
《ウェザーライトの決闘者、ミリー》
《有徳の刃鍛冶、ナザーン》
《托鉢する者》
《放浪の騎士、バーラン》
《忍び寄るレオニン》
《飢えたオオヤマネコ》
《同族の召喚》
《クァーサルの礫投げ》
《辺境地横断》
《血鍛冶の戦斧》
《ナザーンの槌》
《活力の呪い》
《褒賞の呪い》
《先祖伝来の宝刀》
《通報の角笛》
《祖先の道》

特に統率者戦で強力なカードは《同族の召喚》と《通報の角笛》の2枚です。《同族の召喚》はインスタントタイミングでクリーチャーの大量展開を行えるカードで、エルフやドラゴンといった部族EDHで採用されています。《通報の角笛》はゴブリンのような大量に同じ部族のクリーチャーを採用できるデッキで強力なカードです。

ウィザードの秘儀(グリクシスカラー:青黒赤)

統率者紹介

統率者《儀式の大魔導師、イナーラ》は、ウィザードが戦場に出た際にコピーを生成する威光能力と、ウィザードを5体タップすることで対戦相手のライフを7点失わせる起動型能力を持ちます。イナーラは強力なコンボデッキとして現在でも人気の高い統率者で、《呪文探求者》と1マナだけで勝利できる強力な1枚コンボが魅力です。

イナーラEDHは以下の記事で詳細に解説しています。

新規カード紹介

新規カードの一覧は以下の通り。

《儀式の大魔導師、イナーラ》
《反体制魔道士、ケス》
《偽善者、メアシル》
《突風起こしの巨人》
《精神の大魔術師》
《門の魔道士》
《同族の支配》
《執念深いリッチ》
《イゼットの薬術師》
《変化する影》
《シディシの手、テイガム》
《饒舌の呪い》
《血統の屍術士》
《騒然の呪い》
《豪奢の呪い》
《先祖の鏡》
《祖先の道》

特に統率者戦で強力なカードは《反体制魔道士、ケス》と《偽善者、メアシル》、《血統の屍術士》の3枚です。《反体制魔道士、ケス》と《偽善者、メアシル》に関してはいずれも統率者として強力な能力をもったグリクシスカラーの伝説のクリーチャーです。《血統の屍術士》は高い汎用性をもったリアニメイト能力を内臓したクリーチャーで、類似カードと同様にコンボパーツとして役割を持つことができます。対象が吸血鬼かウィザードに限定されている代わりに、ライフルーズ等のデメリットがない点が魅力です。

吸血鬼の渇き(マルドゥカラー:赤白黒)

統率者紹介

統率者《エドガー・マルコフ》は、本体が3RWB 4/4 先制攻撃、速攻という性能に加え、吸血鬼呪文を唱えた際に1/1の吸血鬼トークンを生成する威光能力と、攻撃時に各吸血鬼に+1/+1カウンターを乗せる誘発型能力を持ちます。エドガー・マルコフは純粋なアグロデッキや、トークン生成能力を活用したコンボデッキとして現在でも人気の高い統率者です。特に相性の良いカードとしては《誓いを立てた吸血鬼》や《暗黒の儀式の達人》などが挙げられます。

《誓いを立てた吸血鬼》は《血の芸術家》やサクり台と組み合わせることで無限コンボを形成する吸血鬼で、《暗黒の儀式の達人》は、コストの確保がネックになりがちな起動型能力を、自身を唱えた際に威光能力で生成される吸血鬼トークンで賄うことができます。

新規カード紹介

新規カードの一覧は以下の通り。

《エドガー・マルコフ》
《血滾りの司令官、リシア》
《悪鬼追い、マシス》
《同族の加護》
《テフェリーの防御》
《ケルゥの精神喰らい》
《新たな血族》
《血管の守護者》
《血誓いの使用人》
《真紅の儀仗兵》
《礼儀妨害》
《同族の突撃》
《活力の呪い》
《血統の屍術士》
《騒然の呪い》
《先祖伝来の宝刀》
《祖先の道》

特に統率者戦で強力なカードは《テフェリーの防御》と《血統の屍術士》の2枚です。《テフェリーの防御》はこのセットでの初登場以来、現在に至るまで繰り返し再録されています。

ドラゴンの支配(5色)

統率者紹介

統率者《始祖ドラゴン》は、本体が4WUBRG 10/10 飛行という性能に加え、ドラゴン呪文を1マナ軽量化する威光能力と、ドラゴンの攻撃時に攻撃中のドラゴンの数だけドローし、手札から任意のパーマネントを戦場に出す誘発型能力を持ちます。5色とドラゴンという人気の高いキーワードがセットになっている始祖ドラゴンは、現在でも非常に人気の高い5色統率者です。素出ししづらい本体の重さと攻撃時の強力な誘発型能力から、《ヘルカイトの狩猟者》が非常に相性の良いカードです。

始祖ドラゴンEDHは以下の記事で詳細に解説しています。

新規カード紹介

新規カードの一覧は以下の通り。

《始祖ドラゴン》
《復讐の神、大口縄》
《ドラゴン・エンジン、レイモス》
《幸運な生き残り》
《反攻する鱗王》
《同族の発見》
《骨塚の災い魔》
《領空のヘルカイト》
《自我破摧》
《オジュタイの達人、テイガム》
《ネコルーの女王、ワシトラ》
《饒舌の呪い》
《豪奢の呪い》
《褒賞の呪い》
《通報の角笛》
《先祖の鏡》
《祖先の道》

特に統率者戦で強力なカードは《ドラゴン・エンジン、レイモス》と《同族の発見》です。レイモスは5色統率者としても適正のある強力なマナ能力を持っています。

まとめ

今回は統率者セット(2017年版)の収録カードに関する情報をまとめました。ニーズがあれば、他の年のセットの情報もまとめて記事にしていこうと思います。