【EDHデッキ紹介】野生の心、セルヴァラ【イクサラン:失われし洞窟 対応版】

今回は野生の心、セルヴァラEDHの紹介です。コンスピラシー:王位争奪で登場した膨大なマナを生み出す能力を持つ緑単の統率者です。

統率者解説

《野生の心、セルヴァラ》は、1GGの3マナ2/3のエルフ・スカウトです。戦場でパワーが最も高いクリーチャーを出したプレイヤーが1ドローできる誘発型能力と、緑マナと自身のタップで、自分がコントロールするクリーチャーの中で最も大きいパワー分のマナを任意の組み合わせで生み出すマナ能力を持ちます。マナ能力はパワーの高いクリーチャーと組み合わせることで膨大なマナを生み出すことができる強力なものです。ドロー能力もマナ能力同様にパワーが高いクリーチャーと相性の良い能力であるため、2つの能力が噛み合っている統率者だと言えます。

《野生の心、セルヴァラ》と特別に相性が良いカードとして、《ファイレクシアン・ドレッドノート》があります。1マナで12という破格のパワーを持つ代わりにデメリット能力により場に残すことは難しいクリーチャーですが、《野生の心、セルヴァラ》と組み合わせればデメリット能力の解決前にマナ能力を起動することで12マナを生み出すことができ、強力なシナジーを形成します(またほぼ確実に1ドローできます)。《エメラルドの魔除け》などインスタントタイミングで《野生の心、セルヴァラ》をアンタップすることができれば、さらに大量のマナを生み出すことが可能です。野生の心、セルヴァラEDHでは、こうした方法で大量のマナを生み出した上で《歯と爪》に代表される1枚で勝てる重量級のスペルで勝利することを目指します。

デッキリスト

今回のデッキリストは以下です。moxfield様でも公開しています。

https://www.moxfield.com/decks/RzIOHUcvKkSOkPfzAL0gkg

— 統率者 1 —
《野生の心、セルヴァラ》
— クリーチャー 11 —
《アロサウルス飼い》
《東屋のエルフ》
《極楽鳥》
《ボリアルのドルイド》
《喜ぶハーフリング》
《エルフの神秘家》
《フィンドホーンのエルフ》
《ラノワールのエルフ》
《クウィリーオン・レインジャー》
《森を護る者》
《ワイアウッドの共生虫》
《ファイレクシアン・ドレッドノート》
《溜め込み屋のアウフ》
《漁る軟泥》
《スクリブのレインジャー》
《避難の古木》
《永遠の証人》
《激情の共感者》
《ハイラックス塔の斥候》
《刻み角》
《再利用の賢者》
《ファイレクシアの魂喰らい》
《ティムールの剣歯虎》
《野生の魂、アシャヤ》
《大樫の守護者》
《巨大猿、コグラ》
《森林の怒声吠え》
《威厳の魔力》
《さまようアルカイック》
《真実の解体者、コジレック》
《絶え間ない飢餓、ウラモグ》
《約束された終末、エムラクール》
— インスタント 23 —
《召喚士の契約》
《秋の帳》
《輪作》
《エメラルドの魔除け》
《Legolas’s Quick Reflexes》
《夏の帳》
《巨森の蔦》
《俗世の教示者》
《内にいる獣》
《召喚の調べ》
《激励》
《重大な落下》
《野生語りの帰還》
《呼応した呼集》
— ソーサリー 28 —
《緑の太陽の頂点》
《厚鱗化》
《破滅の終焉》
《生命の遺産》
《異界の進化》
《自然の秩序》
《リシュカーの巧技》
《歯と爪》
《変わり樹の共生》
《エント最後の進軍》
— エンチャント 3 —
《花の絨毯》
《調和の中心》
《楽園の拡散》
《繁茂》
《適者生存》
《森の知恵》
《よりよい品物》
— アーティファクト 11 —
《金属モックス》
《宝石の睡蓮》
《魔力の墓所》
《モックス・ダイアモンド》
《太陽の指輪》
《稲妻のすね当て》
《威圧の杖》
《暗黒のマントル》
— バトル 1 —
《Invasion of Ikoria》
— 土地 23 —
《ドライアドの東屋》
《耐え抜くもの、母聖樹》
《ギャレンブリグ城》
《魂の洞窟》
《出現領域》
《ウギンの目》
《ガイアの揺籃の地》
《宝石の洞窟》
《家路》
《ニクスの祭殿、ニクソス》
《冠雪の森》15
《ワイアウッドの番小屋》
《成長の揺り篭、ヤヴィマヤ》

デッキ解説

デッキ図解
画像=EDH.JP

デッキ全体の動きを図解しました。このデッキは《野生の心、セルヴァラ》により莫大なマナを生み出すことで、《歯と爪》などの1枚で勝てるレベルの重量スペルを3ターン前後で唱えることを目指しています。《野生の心、セルヴァラ》は単純に超強力なマナクリーチャーとして位置付けられますが、裏を返せばマナクリーチャーとして以外の役割をほぼ持てないため、重量スペルなどの勝つために必要な手段や、相手に対する妨害やその対策などは構築でしっかりとカバーする必要があります。

デッキリストの特徴として、素引きするために重量スペル(大量ドローを含む)をとにかく大量に積んでいる点が挙げられます。これによりデッキを厚くし、マスカンの枚数と速度で対戦相手の妨害を踏み越えることを目指します。《夏の帳》などの便利な妨害対策カードは採用しているものの、過剰に積むとデッキが薄くなりドローの質が下がるリスクがあるため、採用しているのは上澄みのみです。総じて、回りだすまではリソースがタイトなデッキであるため役割ごとのカード採用枚数の比率は微妙なチューニングが求められます。

マナ基盤

3ターン目に重量スペルを唱えることを目指す都合で、基本的に2ターン目には《野生の心、セルヴァラ》を着地させる必要があるため、そのムーブに必要な低コスト帯のマナクリーチャーやアーティファクトを採用しています。

また、《野生の心、セルヴァラ》と相性の良い《ワイアウッドの共生虫》系のシステムクリーチャーを多く採用しています。これらのカードは統率者の着地前にも《エルフの神秘家》などのマナクリーチャーをアンタップすることでマナ加速に貢献できるため、序盤〜終盤まで活躍できる点で大変優秀です。

《野生の心、セルヴァラ》がパワーを参照するためのカードとして、低コストでパワーの高いカードの中から特にパフォーマンスの高い《ファイレクシアン・ドレッドノート》等数枚を採用します。また、同様の役割を持つカードとして《厚鱗化》などのパンプアップ呪文も採用しています。それらはクリーチャーと比べると、《野生の心、セルヴァラ》の能力によるドローが誘発しない点が弱い代わりに、《巨森の蔦》のように副次的な能力を持ったものや、《激励》などのテンポ面で優れるカードが存在します。

カードアドバンテージ

カードアドバンテージは基本的に《よりよい品物》や《生命の遺産》などの大量ドロー手段に依存します。これらのカードはパワーの最大値などの条件付きでマナコストもそれなりに重い代わりに、1度通れば手のつけられないレベルのアドバンテージを稼ぎ出すことができます。召喚酔いしていない《野生の心、セルヴァラ》さえが盤面にあれば、大量ドロー後は《ワイアウッドの共生虫》などで容易にマナを伸ばすことができるため、即座にフィニッシャーとなる重量スペルのキャストに繋げることができます。

また《野生の心、セルヴァラ》自身のドロー能力も、デッキが回れば数回はドローする機会があるため見た目より頼りになるドローエンジンです。

フィニッシャー

フィニッシャーは主に《歯と爪》などの緑の大型呪文からの無限コンボや、《絶え間ない飢餓、ウラモグ》などの巨大クリーチャーが担います。これらはカードを複数枚要求するコンボと比べると1枚で一気に勝利に近づける点でマナ加速に特化した《野生の心、セルヴァラ》の能力と相性が良いフィニッシャーです。これらの呪文はアクションが大きいため基本的には《夏の帳》などのカウンター対策を必要としますが、伝説のエルドラージは唱えた時に強力な誘発型能力があったり、緑の呪文の中だと《エント最後の進軍》はカウンターされなかったりと単体で通しやすいカードも多いです。

他にも、《威圧の杖》と《暗黒のマントル》の2枚は《野生の心、セルヴァラ》とのコンボで容易に無限コンボが成立する極めて相性の良いコンボパーツです。ただ、これらはアーティファクトであるためサーチ手段に乏しい点が玉に瑕です。そのため引けたら強いという程度の感覚です。

妨害

妨害札は《夏の帳》等のカウンター・除去対策札と、メタカードに対する除去札を採用しています。野生の心、セルヴァラEDHはかなり多くのメタカードが刺さってしまうデッキで、クリーチャーのマナ能力が止まる《呪われたトーテム像》はもちろん、《倦怠の宝珠》や《墓掘りの檻》なども展開次第ではかなり重い場合があります。これらに対しては《再利用の賢者》と《巨大猿、コグラ》が回答になります。

《緑の太陽の頂点》や《召喚の調べ》などの緑ならではの豊富なサーチ呪文は上記の除去札へのアクセスできる他、《溜め込み屋のアウフ》や《漁る軟泥》などのメタカードをシルバーバレットとして運用することができ、非常に器用です。

個別カード解説

クリーチャーカード

  • 《ファイレクシアン・ドレッドノート》

《野生の心、セルヴァラ》と圧倒的な相性を誇る1マナ12/12のアーティファクトクリーチャーです。EtBの実質自壊能力の解決前に《野生の心、セルヴァラ》でマナを出すことができるため、実質10マナ加速+@という《暗黒の儀式》も真っ青のマナ加速が可能です。さらに《よりよい品物》などがあれば大量ドローにもつながるため、デッキの様々なカードと非常に相性が良いです。

《俗世の教示者》などのサーチ先として非常に優先度が高い1枚ですが、無色のクリーチャーであるため《緑の太陽の頂点》など一部のカードからのサーチには対応していない点に注意が必要です。

  • 《クウィリーオン・レインジャー》

緑の優秀なシステムクリーチャーです。序盤は《エルフの神秘家》などのマナクリーチャーを起こすことで擬似的なマナ加速を行い、統率者の着地後は《野生の心、セルヴァラ》を立てることで大量のマナ加速を行うことが可能です。同様の役割を持つ《ワイアウッドの共生虫》と《スクリブのレインジャー》を合わせて採用することで、何度も統率者を立てることができます。

また能力は各ターンに1度起動できる点を活かして、各相手のターンを使ってマナを伸ばしてから《呼応した呼集》などの重めのインスタントを唱えることもできます。

  • 《ハイラックス塔の斥候》

EtB能力でクリーチャー1体をアンタップするシンプルな能力を持つ3マナのクリーチャーです。基本的には《クウィリーオン・レインジャー》などと同様に統率者をアンタップしてマナを加速する役割を持ちますが、EtB能力であるという点を活かして《ティムールの剣歯虎》等で再利用することで容易に無限コンボを成立させることができます。(《クウィリーオン・レインジャー》だと、森を手札に戻すコストが必要なため無限にならない。その点《ワイアウッドの共生虫》の方が無限コンボには使いやすい。)

コンボに関する解説は記事の後半で。

  • 《巨大猿、コグラ》

今回のデッキにおいて非常に多くの役割を持つ重要なクリーチャーです。6マナと重いものの、パワー7、EtB能力で格闘によるクリーチャー除去、アタック時には置物破壊、さらに人間限定の《ティムールの剣歯虎》能力と、他に類を見ない多彩な能力を持ちます。

まずEtB能力は、今回のリストではこのカード含め3枚しか採用していない貴重なクリーチャー除去です。特に除去したいのは統率者よりも先に置かれた《ドラニスの判事》と《歯と爪》などのサーチ呪文が全て止まる《敵対工作員》の2枚です。

アタック時の置物破壊も強力で、召喚酔いするため即効性はないものの基本的に何が置かれていても止まりづらい能力である点が優秀です。一般的なクリーチャーによる置物破壊は起動型能力やEtB能力であることが多く、《倦怠の宝珠》や《呪われたトーテム像》などで機能停止してしまうリスクがあるため、差別化できています。(《謙虚》などはさすがにどうしようもないが)

人間限定の《ティムールの剣歯虎》能力で戻したいカードは《永遠の証人》と《ハイラックス塔の斥候》の2枚です。これらのカードを使い回すことで容易に無限コンボにつながります。

インスタント・ソーサリーカード

  • 《Legolas’s Quick Reflexes》

最近登場した「刹那」「クリーチャーのアンタップ」「呪禁付与」「クリーチャー除去」のすべての効果が1枚の1マナの呪文に搭載された夢のカードです。

アンタップ効果は《クウィリーオン・レインジャー》などと同様に《野生の心、セルヴァラ》のマナ能力を再利用することで大量のマナ加速を行えるため非常に相性が良いです。《エメラルドの魔除け》はほぼこの用途を目的に採用しているほどです。

呪禁の付与は統率者を除去から守るために使えます。呪文が刹那を持つため、このカードを唱えたターンの間、ほぼ確実に統率者を守り切ることができる点が非常に強力です。

クリーチャー除去効果は、格闘ではなく一方的なパワー分のダメージであるため《野生の心、セルヴァラ》で《オークの弓使い》や《敵対工作員》などのタフネス2以下の重いクリーチャーを除去することができます。また、相手のムーブを妨害する手段としても実質1マナの《突然のショック》以上の何かであるため、高い妨害性能を持っている1枚であると言えます。

  • 《輪作》

1マナで任意の土地をライブラリから戦場に出せる強力なインスタントです。今回のリストでは《ガイアの揺籃の地》によるマナ加速、《ワイアウッドの番小屋》による《野生の心、セルヴァラ》のアンタップ、《ウギンの目》によるフィニッシャーへのアクセス、《魂の洞窟》によるカウンター対策など、状況に合わせて様々なカードにアクセスできる優秀なカードです。

  • 《厚鱗化》

1マナで6/4のクリーチャーを場に作ることができる優秀なパンプアップ呪文です。基本的には《野生の心、セルヴァラ》自体を対象にとるなどして、実質パワー+4修正にあたるパフォーマンスとなります。基本的に1マナのパンプアップ呪文は《巨大化》の+3修正をベースに、《地うねり》のように条件付きで+4修正となることがベンチマークになるため、ソーサリーではあるものの高いパフォーマンスを持つパンプアップ呪文であると言えます。

さらに超過によるクリーチャー全体の6/4化効果もあります。超過で使うことは少ないですが、小型なシステムクリーチャーをパンプアップすることでライフの少ないプレイヤーを削り切る選択肢が取れる点は、他のパンプアップ呪文にはない《厚鱗化》の強い点です。

キープ基準

キープ基準は遅くとも3ターン目には《野生の心、セルヴァラ》のマナ能力を起動できるかを最優先で考えます。それ以外の要素として大量のマナから使うカードがあるか、妨害を受けた際のプランはあるかなどももちろん重要ですが、《野生の心、セルヴァラ》がマナを伸ばす前提のデッキ構築・マナカーブになっているためゲーム展開から遅れると盛り返すことが難しい(より具体的には暇になる)デッキです。そのためキープ基準としては初速が最優先事項となります。

キープ判定例

ここではいくつか初手ハンドの例と考え方を紹介します。

  • ハンド例1

土地2、《避難の古木》、《宝石の睡蓮》、《ファイレクシアン・ドレッドノート》、《東屋のエルフ》、《巨大猿、コグラ》

キープです。1T《宝石の睡蓮》から統率者を着地させ、2Tで《ファイレクシアン・ドレッドノート》から1ドロー+13マナまで伸びます。その後のムーブは見通しが悪いですが、やることがなければ《避難の古木》と《巨大猿、コグラ》を投げて2枚ドローしてみることになります。

2ターン目にはこのハンドから追加で4、5枚引けるため、なんらか勝ちにつながるような重量スペルが引ける可能性は十分あります。

  • ハンド例2

土地2、《エメラルドの魔除け》、《エント最後の進軍》、《調和の中心》、《厚鱗化》、《緑の太陽の頂点》

キープです。1T《緑の太陽の頂点》から《ドライアドの東屋》とムーブすることで、3ターン目に《野生の心、セルヴァラ》のマナ能力の起動が可能です。《厚鱗化》と《エメラルドの魔除け》により、《エント最後の進軍》につながることも確定しています。

コンボ・ギミック解説

暗黒のマントル 1枚コンボ

《野生の心、セルヴァラ》のマナ能力で5マナ以上でる状況で《暗黒のマントル》を《野生の心、セルヴァラ》に装備することで、3マナで《野生の心、セルヴァラ》をアンタップできるようになり、無限マナが成立します。お手軽ですが無限マナが出るだけなので、その後のフィニッシャーは別途用意する必要があります。

威圧の杖 1枚コンボ

《野生の心、セルヴァラ》のマナ能力で6マナ以上でる状況で《威圧の杖》により《野生の心、セルヴァラ》をアンタップし、さらに《威圧の杖》を自身の能力でアンタップすることで、4マナで《野生の心、セルヴァラ》をアンタップできるようになり、無限マナが成立します。さらに《威圧の杖》の能力により無限マナから無限ドロー・無限ライフが成立するため、そのまま勝利することが可能です。

《暗黒のマントル》を使ったコンボと比べると《野生の心、セルヴァラ》から出るマナの条件が1マナ厳しい代わりに、そのまま勝ちに行ける点が強力なコンボです。

巨大猿、コグラ+ハイラックス塔の斥候

《巨大猿、コグラ》の起動型能力により《ハイラックス塔の斥候》を再利用して《野生の心、セルヴァラ》をアンタップすることで無限マナが成立します。《巨大猿、コグラ》のパワーが7あるため《野生の心、セルヴァラ》から生まれるマナが7マナとなり、《ハイラックス塔の斥候》を再利用するマナコストが5マナであるためこれら3枚のカードのみでも、ループ時のマナ収支は+1マナとなります。

ただし、成立するのは無限マナのみであるため、フィニッシャーは別途用意する必要があります。

ティムールの剣歯虎+ハイラックス塔の斥候 or ワイアウッドの共生虫

基本的には先ほどの「野生の心、セルヴァラ+巨大猿、コグラ+ハイラックス塔の斥候」のコンボと同様ですが、《ティムールの剣歯虎》は人間以外のクリーチャーも手札に戻すことができるため、他にパワーが5以上のクリーチャーが存在しており、それよりパワーが高いクリーチャーが相手の戦場にも存在しなければ、《野生の心、セルヴァラ》の誘発型能力により無限ドローも成立させることが可能です。

野生の魂、アシャヤ + クウィリーオン・レインジャー or スクリブのレインジャー

すべてのクリーチャーに森タイプを付与する《野生の魂、アシャヤ》により、《クウィリーオン・レインジャー》が起動能力のコストとして自身を手札に戻すことができるようになるため、緑1マナで何度でもクリーチャーをアンタップすることができるようになるコンボが成立します。《野生の心、セルヴァラ》をアンタップすることで無限マナとなります。

ただし、成立するのは無限マナのみであるため、フィニッシャーは別途用意する必要があります。

歯と爪 1枚コンボ

双呪により、ライブラリから任意のクリーチャー2体を戦場に出す《歯と爪》1枚から成立するコンボを解説します。基本的には上記のコンボを成立させる際に《森林の怒声吠え》を経由することで、《森林の怒声吠え》を再利用して無限マナだけでなく、直接勝利につながるコンボを成立させることが可能です。展開例は以下の通りです。

  1. 《歯と爪》から《ティムールの剣歯虎》と《森林の怒声吠え》を出し、《森林の怒声吠え》からは《ハイラックス塔の斥候》を出す
  2. 無限マナ(手順省略)
  3. 《ティムールの剣歯虎》で《森林の怒声吠え》を出し直し、《激情の共感者》を出す。《威厳の魔力》をサーチし、無限ドローが成立

これ以外にも状況に応じて《野生の魂、アシャヤ》を絡めたコンボも成立させることが可能です。

環境での位置付け

デッキパワーレベル

デッキパワーレベルは8です。2ターンキルもそれなりの確率で狙える高速に分類されるターボコンボデッキです。一方で、現在《オークの弓使い》という緑のマナクリーチャーに対する強力なメタカードが存在する他、そうした強力なメタカードの存在によりEDHの主戦場はミッドレンジが主流であるため、セルヴァラのようなターボコンボデッキは出る杭として打たれる立ち位置にあり、厳しい環境ではあると言えます。

相性の良いアーキタイプ

アーキタイプとしてはターボコンボデッキに分類されるため、低速なコントロールやランプに対しては速度で圧倒できるため、比較的相性が良いと言えます。

過去にEDH.JPで紹介したデッキの中だと、コントロールデッキとしてはデリーヴィーEDH、ランプデッキとしては始祖ドラゴンEDHなどが該当します。

相性の悪いアーキタイプ

先述の通り、コンボデッキに対するメタカードが豊富なミッドレンジデッキ、特に《オークの弓使い》を擁する黒系のミッドレンジを苦手とします。

過去にEDH.JPで紹介したデッキの中だと、カーリアEDHなどが該当します。

採用した高額カード一覧

参考までに、今回のリストをゼロベースで構築した場合の値段は約24.7万円(2024年1月13日時点)です。EDH.JPでは単体で5000円以上※のカードを「高額カード」として分類しており、今回のリストにおける「高額カード」は以下です。

※ 多くのカードゲームで、レアリティに拘らない場合のトップレアの相場感を参考にした金額

《ガイアの揺籃の地》 66,800円
《モックス・ダイアモンド》 52,000円
《魔力の墓所》 21,500円
《宝石の睡蓮》 12,880円
《適者生存》 12,800円
《ファイレクシアン・ドレッドノート》 11,800円
《金属モックス》 11,500円
《宝石の洞窟》 7,000円
《魂の洞窟》 6,000円

今回のリストで使われている高額カードは《ファイレクシアン・ドレッドノート》を除き大体が様々なデッキで使われる汎用カードばかりですので、持っていれば採用したいです。《ファイレクシアン・ドレッドノート》は本当に強力なシナジーを持つキーカードですので、持っていない場合でもなんとか手に入れたいところです。

その他の候補カードについて

今回はかなり統率者に対する依存度の高い構築としましたが、サブプランとしてランプっぽい動きをすることも可能です。逆にもっとコンボに寄せた構築も可能です。そういったチューニングでは以下のようなカードの採用が検討できます。

  • 《ティタニアの僧侶》・《ケイラメトラの侍祭》
    • 統率者以外での強力なマナクリーチャーとして。
  • 《雲石の工芸品》・《千年霊薬》
    • バウンスによる無限コンボパーツの追加や、追加の《調和の中心》によるコンボ成立ターンの加速として。

まとめ

今回は緑単のターボコンボデッキである野生の心、セルヴァラEDHのデッキを紹介しました。

個人的には《威圧の杖》との2枚コンボが芸術点が高く気に入っているのですが、いかんせん緑単だとアーティファクトにアクセスする手段がないので引けるかは完全に運次第なんですよね。そういうところもハイランダールールのいいところかなとも思いますが。

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