【EDHデッキ紹介】ウラブラスク【イクサラン:失われし洞窟 対応版】

今回はウラブラスクEDHの紹介です。機械兵団の進軍で登場したチェインコンボと相性の良い複数の能力を持つ赤単の統率者です。

統率者解説

《ウラブラスク》は、2RRの4マナ4/4先制攻撃を持つファイレクシアン・法務官の両面カードです。インスタントやソーサリーを唱えるたびに赤1マナを加えながら、対戦相手一人に1点ダメージを与える誘発型能力と、インスタントやソーサリーを3回以上唱えたターンにのみ使える赤1マナで裏面になる起動型能力を持ちます。裏面は英雄譚で、Iが対戦相手一人とそのプレイヤーがコントロールする各クリーチャーに3点ダメージを与えるもの。IIは宝物トークンを3つ生成するもの。IIIはそのターンすべての墓地からインスタントやソーサリーを唱えられるようになった上で(唱えたカードは追放する)表面に戻る能力です。いずれも腐りづらい強力な能力で、高いカードパワーを持った統率者だと言えます。

特筆すべきは英雄譚のIII能力で、各プレイヤーの墓地のインスタント・ソーサリーを唱えられる効果に加え、能力の解決後はチェインコンボと相性の良い表面の《ウラブラスク》になるため特化した構築であればゲームエンド級の強力な能力です。(類似した効果を持つ《炎の中の過去》と異なり、能力の解決後に墓地に落ちたスペルも唱えられる点がさらに強力です)一方で多人数戦はターン経過が遅く、基本的には危険なカードから除去されるため、英雄譚のIIIを使うのはそれが強力な能力であるほど至難の技です。

ルールに関する注意点:《ウラブラスク》裏面の英雄譚III能力は自分だけでなく対戦相手の墓地からも呪文を唱えられるようになります。(24/5/5 訂正)

デッキリスト

今回のデッキリストは以下です。moxfield様でも公開しています。

https://www.moxfield.com/decks/7RUyIRvNTUud2rUyeEq5uQ

— 統率者 1 —
《ウラブラスク》
— クリーチャー 11 —
《ドラゴンの怒りの媒介者》
《敏捷なこそ泥、ラガバン》
《波止場の恐喝者》
《ゴブリンの技師》
《ゴブリン徴募兵》
《親指なしのクラーク》
《遁走する蒸気族》
《二重詠唱の魔道士》
《帝国の徴募兵》
《嵐窯の芸術家》
《背信のオーガ》
— インスタント 23 —
《たなびく真紅》
《促進》
《はらわた撃ち》
《稲妻》
《針落とし》
《紅蓮破》
《赤霊破》
《削剥》
《捨て身の儀式》
《最後の賭け》
《Fork》
《高まる復讐心》
《発熱の儀式》
《余韻》
《胸躍る可能性》
《ティボルトの計略》
《混沌のねじれ》
《偏向はたき》
《反復》
《煮えたぎる歌》
《ヴァラクートの覚醒》
《電位の負荷》
《稲妻曲げ》
— ソーサリー 28 —
《祖先の怒り》
《燃え立つ調査》
《突破》
《信仰無き物あさり》
《ギャンブル》
《マグマの洞察力》
《圧服》
《改革派の戦術》
《苛立ち》
《炎の儀式》
《独創の火花》
《一攫千金》
《大将軍の憤怒》
《安堵の再会》
《約束の終焉》
《最後のチャンス》
《紅蓮地獄》
《無謀なる衝動》
《書庫荒らし》
《髑髏砕きの一撃》
《双つ身の炎》
《戦士の誓言》
《ボーナスラウンド》
《電位式リレー》
《ジェスカの意志》
《舞台照らし》
《Wheel of Fortune》
《災難の輪》
— エンチャント 3 —
《死の国からの脱出》
《血染めの月》
《実験の狂乱》
— アーティファクト 11 —
《金属モックス》
《宝石の睡蓮》
《ライオンの瞳のダイアモンド》
《水蓮の花びら》
《魔力の墓所》
《モックス・ダイアモンド》
《魔力の櫃》
《太陽の指輪》
《等時の王笏》
《無限の日時計》
《完全化の杖》
— 土地 23 —
《古えの墳墓》
《乾燥台地》
《血染めのぬかるみ》
《裏切り者の都》
《水晶鉱脈》
《出現領域》
《宝石の洞窟》
《発明博覧会》
《カーンの拠点》
《虹色の眺望》
《鋭き砂岩》
《沸騰する小湖》
《冠雪の山》9
《作戦室》
《樹木茂る山麓》

デッキ解説

デッキ図解
画像=EDH.JP

デッキ全体の動きを図解しました。今回のリストにおいて、《ウラブラスク》は誘発型能力によりインスタント・ソーサリーから赤マナが生まれることと英雄譚IIIや《死の国からの脱出》等による大量アドバンテージ獲得を組み合わせることでチェインコンボを成立させるキーカードとして位置付けられます。

今回のリストの特徴的な点としては《最後の賭け》系の追加ターン呪文をコンボ軸に据えることで、裏面の英雄譚IIIの現実的な運用を実現している点があります。基本的なムーブとしては《ウラブラスク》が着地したターンに赤1マナでインスタント・ソーサリーを3回キャストしてから裏面で対戦相手一人の盤面を焼き払い、次ターンで《最後の賭け》から英雄譚IIIを適用して勝利を目指します。この間、見た目上は英雄譚IIIが確定していないためヘイトを抑えられる点が優れています。

マナ基盤

マナ基盤は《ウラブラスク》を早期に着地させるための数枚の強力なマナアーティファクト(《宝石の睡蓮》等)と、スペル型のチェインコンボと相性の良いマナ加速カード(《炎の儀式》や《遁走する蒸気族》等)で構成しています。基本的に《ウラブラスク》を着地した上で赤1マナ余剰があれば良いので5マナまで伸びれば十分なデッキです。そのため土地枚数も20枚前半程度まで削り、チェインコンボのノイズを減らしています。

《ウラブラスク》の能力によりインスタント・ソーサリーによるマナ加速は一般的なデッキよりも評価が高くなります。(《ウラブラスク》の影響下では《炎の儀式》は実質《暗黒の儀式》になり、《煮えたぎる歌》などはそれ以上のマナ加速呪文になります)そのためマナ基盤として一般的な《秘儀の印鑑》のようなマナファクトは相対的に評価が下がり、採用圏外となっています

カードアドバンテージ

基本的には《祖先の怒り》などのキャントリップ呪文を《ウラブラスク》によりテンポロスを抑えることで大量にキャストしてストームと墓地を増やした上で、《ウラブラスク》裏面の英雄譚IIIや《死の国からの脱出》等を使うことで膨大なカードアドバンテージを獲得することが可能です。

それ以外では《安堵の再会》のようなキャスト時に追加コストを要求するタイプのドロー呪文を《Fork》などでコピーすることで、優れたマナ効率でカードアドバンテージを獲得できます。(この組み合わせであれば、赤2マナで2枚ディスカード6枚ドローが可能です。また《Wheel of Fortune》などの7ドロー呪文もデッキギミックと相性が良いです。

フィニッシャー

コンボがつながれば、ライブラリのおおよそすべての呪文を唱えられるようになるので、基本的には大量のカードアドバンテージから物量で圧殺するプランを取ります。例えば《死の国からの脱出》等により《ボーナスラウンド》を3回唱えた状態で《稲妻》を唱えれば9点火力(+《ウラブラスク》のバーン能力で10点火力)になります。《約束の終焉》をX=10で唱えたり、《双つ身の炎》から大量の速攻トークンを出したりと、最終的に勝つ方法の選択肢は広いです。そのため、事実上はチェインコンボの始動にあたる《死の国からの脱出》、《実験の狂乱》、《ボーナスラウンド》、《ウラブラスク》裏面の英雄譚IIIなどがフィニッシャーに該当します。

その他、直接勝利につながるコンボギミックとして《無限の日時計》+《等時の王笏》+《最後の賭け》による無限ターンギミックがあります。詳細は後述します。

妨害

インスタント・ソーサリーによるトリッキーな妨害札を中心に採用しています。《紅蓮破》などは基本的なカードですが、《Fork》や《稲妻曲げ》などはうまく使いこなす必要があります。特に《Fork》をオリジナルとするコピー呪文は、うまく相手の呪文に合わせて使うことで、擬似的に万能除去やカウンター、サーチカードとしても使えるため、様々なスペルが飛び交う多人数戦ならではの面白さを堪能できる良いカードです。コピー呪文は基本的に2マナ以上と重い点がネックですが、《ウラブラスク》のおかげでマナ効率が改善しているため、自分の《安堵の再会》や《煮えたぎる歌》をコピーすることで大きなアドバンテージを獲得するムーブもかなり現実的でデッキコンセプトと相性が良いです。

それ以外では、《血染めの月》は単体であまりにも強力なので採用しているものの、デッキコンセプトとしてはノイズになるためあまり前向きなカードではありません。

個別カード解説

クリーチャーカード

  • 《ドラゴンの怒りの媒介者》

インスタント・ソーサリー主体の《ウラブラスク》EDHにおいて非常に強力な墓地肥やし手段です。1ターンに何度も呪文を唱えるデッキであるため、このカードが場にいるだけで、《ウラブラスク》裏面の英雄譚IIIの威力は大幅に増大します。諜報能力によりドローの質を上げることも可能なため、連続で土地を引き込んでしまうリスクも低減することができ、総じてチェインコンボの成功率を大幅に上げることができるカードだと言えます。それ以外にも、地味ながら昂揚を達成すると3/3飛行となりプレインズウォーカーを叩く上で強力なクリーチャーになります。できる仕事が多く、とにかくカードパワーが高い1枚です。

  • 《親指なしのクラーク》

同じくスペル型のチェインコンボと相性の良いシステムクリーチャーです。インスタントやソーサリーを唱えるたびにコイントスをして、呪文を手札に戻すかコピーするというトリッキーな能力を持ちます。通常のデッキではコイントスに負けた場合にテンポロスするリスクを孕むカードですが、《ウラブラスク》の誘発型能力は呪文を唱えた段階で誘発するため、赤1マナの呪文であればテンポロスなしで何度でもコイントスにチャレンジし、呪文を確実にコピーすることが可能です。1マナのキャントリップ呪文が2ドロー呪文に化けるわけです。また、コイントスの間に《ウラブラスク》によるバーン能力の誘発とストームを稼ぐことができる点も魅力です。

ただし、2マナ以上の呪文を唱える場合は少なからずリスクもあるカードであるので、運用には注意が必要です。場合によっては《稲妻》などで自ら処理することも視野に入ります。

インスタント・ソーサリーカード

  • 《舞台照らし》

ライブラリから2枚を追放して、次の自分のターンの終了時までプレイできるドロー呪文です。このタイプのドロー呪文はそのターン中のみプレイできるカードが多いですが、こちらは次のターンまでプレイできるため《最後の賭け》などで追加ターンを得た場合にも能力が継続する点が優秀です。

そのままでは3マナと重いスペルですが、絢爛により赤1マナで唱えることが可能です。一般的なデッキだと絢爛の達成条件を気にする必要がありますが、《ウラブラスク》の誘発型能力により絢爛を容易に達成できるため非常に使い勝手の良いドローソースだと言えます。1マナで2ドローは他のカードにはない非常に高いドロー効率です。

  • 《電位の負荷》

赤単色の統率者で採用できるインスタント・ソーサリーの中で唯一増殖を行える呪文です。増殖は英雄譚カウンターを加速させることができるため《ウラブラスク》の裏面と相性がよく、事実上追加ターンに近い水準の価値があります。《最後の賭け》と比較するとマナを消費するものの敗北するリスクを冒すことなく英雄譚IIIにチャレンジすることができます。

アーティファクトであれば《ゲスの玉座》など増殖を行えるカードは様々存在するものの、増殖をするためだけのカードはノイズになることが多いため採用していません。増殖をしたいタイミングは《ウラブラスク》が着地していて、その上で裏面になれている(インスタント・ソーサリーを3回唱えて能力を起動できている)状況に限られ、それ以外の場面では不要なカードであるためです。その点、《電位の負荷》は任意対象への3点火力と汎用性の高い呪文でありつつ、チェインコンボを阻害しないインスタントであることから評価が高いです。

  • 《ボーナスラウンド》

自分も対戦相手も、そのターン中インスタント・ソーサリーを唱えるとそれがコピーされる派手な呪文です。《ウラブラスク》と組み合わせることで《煮えたぎる歌》から12マナ出るようになったり、《安堵の再会》が1マナで6枚ドローになったりとすごいことになります。《ボーナスラウンド》は強力な呪文ですが、本体が3マナソーサリーと重く、唱えたあとにいかにして複数アクションを起こすかが課題です。その点《ウラブラスク》は《ボーナスラウンド》自体も含み、インスタント・ソーサリーのマナ効率を大きく改善してくれるため、非常に相性の良いカードだと言えます。

《ボーナスラウンド》を複数回唱えることで能力が重複し、複数回呪文がコピーされるようになります。なお呪文はスタック上でコピーされるため、唱えているわけではない点に注意です。

アーティファクトカード

  • 《完全化の杖》

ライフリソースに依存した様々な起動型能力を持つアーティファクトです。2点ライフで有色1マナを生めるマナアーティファクトとしての運用をベースにしつつ、3点ライフで増殖能力を持つため《電位の負荷》と同様に英雄譚の加速カードとしての役割を持つことが可能です。

今回の構築ではライフリソースを《背信のオーガ》と取り合うため、それぞれのカードを使う際には気を遣う必要があります。逆に言えば他のカードはライフリソースに依存していないため、ある程度無茶な運用も可能です。5マナと6点ライフを払えば2回増殖してくれるアーティファクトでもあるため、一気に英雄譚IからIIIまで飛ばすこともできます。その場合、英雄譚IIで宝物トークンが出るので実質マナ消費2マナで英雄譚IIIになれます。

  • 《無限の日時計》

自分のターン限定ですが1マナ起動でターンを終了できる変わったアーティファクトです。基本的に自分のターン終了時に不都合な能力が誘発する場合に使うことで、誘発を踏み倒すことができるカードです。具体的には《最後の賭け》の敗北能力はターン終了時の誘発型能力であるため、このカードを使えば敗北しないで済みます。それ以外では、《死の国からの脱出》がそのターン生贄に捧げられなくなったり、疾駆で出した《敏捷なこそ泥、ラガバン》が手札に戻らなくなったりと、細かいシーンで活用が見込めます。

今回の構築では《最後の賭け》系のカードを最大限活用することで英雄譚IIIを目指す構築になっているため、それらとシナジーを形成するカードとして採用しています。地味ながら、対戦相手が自分のターン終了時に何かインスタントを唱えたり能力を起動したりする行動を潰すこともできます。

キープ基準

キープ基準は何ターン以内に《ウラブラスク》が裏返ることができるかを考えます。《背信のオーガ》や《ジェスカの意志》が絡めば最速1ターン目で裏返ることもありますが、そのあたりは引けるかどうかという世界の話なので、基本的に2ターン目を目指してキープします。裏返るためにはマナ加速手段だけではなく、ドローできる軽量なスペルも必須です。

キープ判定例

ここではいくつか初手ハンドの例と考え方を紹介します。

  • ハンド例1

土地2、《魔力の墓所》、《信仰無き物あさり》、《二重詠唱の魔道士》、《宝石の睡蓮》、《敏捷なこそ泥、ラガバン》

キープです。1T《ウラブラスク》から、《信仰無き物あさり》で1ターン目で裏面になることを目指します。うまくつながらなかった場合でも《信仰無き物あさり》のフラッシュバックや《敏捷なこそ泥、ラガバン》が保険になっている点が良いです。(実際にはこのあと《背信のオーガ》と《魔力の櫃》がめくれて1キルになりました)

  • ハンド例2

土地4、《削剥》、《血染めの月》、《促進》

土地が過剰ですが《宝石の洞窟》で捌けます。2ターン目4マナまでしか見えないものの、1ターン目から《血染めの月》をおいていけるため基本的にはキープするハンドです。月の刺さりが悪い卓であればマリガンします。

コンボ・ギミック解説

無限の日時計+最後の賭け+等時の王笏

《等時の王笏》で《最後の賭け》を刻印することで、毎ターン追加ターンを得られるようになり、無限ターンが成立します。それだけだとターン終了時に敗北してしまうため、《無限の日時計》で誘発を抑制することでコンボが成立します。《等時の王笏》で刻印できるのはインスタントのみなため、追加ターン呪文で対応するのは《最後の賭け》のみです。3枚コンボなこともあって揃えることは困難ですが、いずれもデッキコンセプトと相性の良いカードで構成されたコンボであるため、ノイズにはなりません。もし揃ったらラッキー、程度に考えます。

二重詠唱の魔道士+双つ身の炎

一般的な無限速攻トークンのコンボです。EtBでスタック上の呪文をコピーする《二重詠唱の魔道士》によって《双つ身の炎》をコピーすることで、無限に速攻を持つ《二重詠唱の魔道士》トークンが場に並ぶため、そのまま相手を攻撃すれば勝利することができます。今回の構築ではクリーチャーは基本的にノイズになってしまいますが、赤単で成立する合計5マナの2枚コンボはそれだけで強力なので採用しています。《双つ身の炎》はシンプルに《波止場の恐喝者》などをコピーするだけでも結構強く、単体でも運用しやすい点は優秀です。

死の国からの脱出+燃え立つ調査+ウラブラスク

1枚でカードを3枚墓地に落とせる《燃え立つ調査》と脱出を与える《死の国からの脱出》による、無限ルーティングコンボです。通常は《ライオンの瞳のダイアモンド》などを経由して《燃え立つ調査》を唱えるマナを確保する必要がありますが、《ウラブラスク》がいれば《燃え立つ調査》のテンポロスは発生しないため、何度でも唱えることが可能です。

ジェスカの意志 / 煮えたぎる歌+反復+ウラブラスク

6マナでバイバックしながら呪文をコピーできる《反復》と、マナを生み出す呪文を組み合わせた無限マナ/無限バーンコンボです。バイバックの《反復》が《ウラブラスク》により実質5マナであるため、コピー対象の呪文が赤5マナ以上生み出すことができれば、《ウラブラスク》により少なくとも無限バーンが成立します。《煮えたぎる歌》であればインスタントタイミングで成立する点も魅力です。

ただ、このコンボのネックとして赤単では特定のインスタントやソーサリーにアクセスする手段が非常に限られている点が挙げられます。(《ギャンブル》か、今回採用していない重いアーティファクトしかない)そのため、結局は《ウラブラスク》の英雄譚IIIなどで大量のアドバンテージを獲得したあとに成立することが主です。

環境での位置付け

デッキパワーレベル

デッキパワーレベルは9です。1・2ターンキルも狙えるかなり高速に分類されるコンボデッキでありながら、《ウラブラスク》の英雄譚Iでクリーチャーを並べるデッキに強く(タフネス3以下に限る)、トリッキーなスペルを駆使してインタラクティブにゲームをプレイすることができる素晴らしい統率者です。

相性の良いアーキタイプ

アーキタイプとしてはチェイン型ターボコンボデッキに分類されるため、コントロールやミッドレンジといったとにかく早いコンボデッキに弱いデッキとは相性が良いと言えます。

EDH.JPで紹介したデッキの中だと、コントロールデッキとしてはデリーヴィーEDH、ミッドレンジとしてはカーリアEDHなどが該当します。

相性の悪いアーキタイプ

英雄譚IIIや《死の国からの脱出》などにより墓地依存度の高いデッキであるため、墓地対策に強いタイプのスタックスや、またチェインコンボのメタカードにアクセスしやすいデッキは苦手とします。

EDH.JPで紹介したデッキの中だと、《三なる宝球》などチェインコンボに強いアーティファクトが多く採用されたウルザEDHなどが該当します。

採用した高額カード一覧

参考までに、今回のリストをゼロベースで構築した場合の値段は約28.5万円(2024年1月3日時点)です。EDH.JPでは単体で5000円以上※のカードを「高額カード」として分類しており、今回のリストにおける「高額カード」は以下です。

※ 多くのカードゲームで、レアリティに拘らない場合のトップレアの相場感を参考にした金額

《ライオンの瞳のダイアモンド》 60,800円
《モックス・ダイアモンド》 51,800円
《Wheel of Fortune》 31,800円
《裏切り者の都》 30,980円
《魔力の墓所》 19,000円
《宝石の睡蓮》 12,000円
《金属モックス》 11,000円
《波止場の恐喝者》 9,000円
《古えの墳墓》 7,600円
《宝石の洞窟》 6,980円
《敏捷なこそ泥、ラガバン》 6,480円

今回のリストで使われている高額カードは大体が様々なデッキで使われる汎用カードばかりですので、持っていれば採用したいです。(強いて言えば《裏切り者の都》が比較的採用率低めでしょうか)

その他の候補カードについて

今回はかなりコンボ成立に寄せた構築としましたが、《ウラブラスク》はカードパワーが高いので、ミッドレンジっぽい構成にすることも可能です。その場合は以下のようなカードの採用が検討できます。

  • 《兄弟仲の終焉》
    • クリーチャーやアーティファクトの全体除去。スペル主体でクリーチャーが少ないので、全体火力は相性が良いです。
  • 《炎の中の過去》
    • 今回は《ウラブラスク》の英雄譚IIIに寄せましたが、ミッドレンジ帯ではより多く妨害の応酬が行われるため、コンボの線を太くするためのスペルの採用が検討できます。他にも《ミジックスの熟達》などが候補となります。
  • 《語りの神、ビルギ》
    • 《炎の中の過去》同様に《ウラブラスク》と役割が重複するカードですが、採用することで線が太くなり妨害に強くなります。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回は赤単のチェインコンボデッキであるウラブラスクEDHのデッキを紹介しました。

個人的には赤単のチェインコンボは様々な統率者で考案されていますが、ウラブラスクは裏面の能力のおかげでマナを伸ばすシステムクリーチャーとしてだけでなく、妨害やフィニッシャーまでこなせる万能さがウリだと思っています。英雄譚は統率者戦では扱いづらい能力ですが、うまく使いこなしていきたいですね。

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最新の変更点

情報は随時更新予定です。

2024/2/3更新

《ウラブラスク》裏面の英雄譚III能力のルールに関する内容を追加しました。詳細は以下のウラブラスクが収録されたセットのリリースノートを参照ください。

『機械兵団の進軍』リリースノート